• テキストサイズ

【HQ】陽のあたる場所へ

第11章 衝突


朝目覚めて、泣いている事に気づく。
(懐かしい夢見たからかな…?)
けいじくんは今もバレーを続けてくれているのだろうか。
私がバレー出来なくなった事を知ったら幻滅するだろうか。

また泣きそうになったのを堪えて学校へ行く準備をする。



学校についてすぐ、私は職員室へ向かった。
武田先生に事情を話して、先生と一緒に担任に話してから校長先生にも話す。
とりあえず夏休みまで2週間近く休む事を許可してもらえた。
日頃の優等生って意外と役に立つな。


教室に行くと、蛍と忠はもう来ていた。
2人に、おはよう。と声を掛けると、こちらを向いた2人が私を見てぎょっとしている。
正しくは私の膝を見て、だ。
私の膝は真っ青になったままでまだ少し痛むので、湿布を貼って包帯で巻いているのだ。

「優希!それどうしたの?大丈夫?」
忠が慌てて聞いてくるけど、
「大丈夫。ちょっと昨日こけちゃって…」
と苦笑いしながら返せば、気をつけてよ、もー。と言って心配してくれる。

蛍は何かを考えるように私の膝を見てるけど、
「2人には先に言っておこうと思うんだけど…」
切り出せば2人ともが私の目を見て話を聞いてくれる。
「私、明日から東京行くことになったんだ」

「え、夏休みの間って事なんじゃ…」
「そのつもりだったけど、膝もこんなんになっちゃったし、早めに治療しようと思って」
そっか。と少し俯いた忠とは対照的に、蛍は私の目を真っ直ぐ見つめながら
「ねぇ優希、それ本当にこけたの?」
やっぱり気づくか。蛍は鋭いからなぁ。
「あんま詮索しないで。私まだちょっと立ち直れてないんだ」
そう言えば蛍は、ごめん。と言って私の頭を撫でて慰めてくれる。



授業が終わって、帰ってすぐに荷物を纏める。

光ちゃんにも忘れずにメールした。

病院にもちゃんと連絡したから、明日行ったらすぐに入院して手術に備えよう。

早く治すんだ。

足でまといにはなりたくない。


バレーをやるんだ。


/ 109ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp