第10章 いざ東京へ
それからの試合は、烏野全員に緊張が走り始めていつも通りにプレイできていなかった。
結果はやはり音駒の勝利。
翔陽と飛雄が体育館の外に出て行ったのが気になるけど、音駒はすぐに梟谷と試合だからそっちに集中しなきゃ。
私はあくまでも今は音駒のマネージャーだ。
そして昼休憩。
「なぁ優希、ちょっと相談したいんだが…」
「ん?」
繋心が私の前の席に座る。
「お前はブロックがハッキリ見えた事あったか?」
「うん。昔はブロックも、たまにレシーバーも見えた。でもなんで今更そんな事聞くの?」
「日向も調子良い時はブロックが見えるらしい。で、変人速攻でも最後の一瞬まで自分の力で戦いたいって影山に言ったんだ」
「で、飛雄は何て?」
「あの速攻にお前の意思は必要無い、ってさ」
それを聞いた瞬間、ガタンっと音を出して椅子から立ち上がる。
「ちょっと飛雄に話つけてくる」
「ちょ、優希、待て」
繋心に手首を掴まれて椅子に座り直すけど、
「攻撃の主導権はどんな時でもスパイカーにあるの、昔烏養のじいちゃんが言ってたでしょ?セッターはスパイカーが欲しいトスに答えなきゃだめなの。飛雄は才能あるんだから…」
「スパイカーが打ちやすい以上に最高のトスはないんだよ」
午後始まるから先行くね。とそれだけ言って体育館に向かった。
午後からの試合に翔陽は出なかった。
そしてそのまま合同練習は終わった。