第10章 いざ東京へ
ボトルの準備をしに外の水道へ行くと、潔子先輩と仁花に会った。
「潔子先輩!仁花!」
「優希何もされてない?」
「大丈夫ですよ、皆優しいです」
「それならいいけど…」
「優希ちゃんっ!帰ってくるよねっ?」
ん?どういう意味だ?
「武田先生がね、岡崎さんは音駒のマネージャーになります。って言ってたの。そしたら皆、打倒音駒って張り切っちゃって」
潔子先輩が説明してくれる。武田先生きっちり説明してよ。
「仁花、大丈夫だよ。合宿中だけだから」
「でもっジャージっ」
「これは借りてるだけ。音駒の中で烏野ジャージも目立つでしょ?」
そう言えば仁花は、たしかにそうだよね。と少し落ち着いたみたいだ。
「潔子先輩、皆にちゃんと説明してくれませんか?」
「でもこっちのが面白そうだから」
そう悪戯っぽく笑う潔子先輩が、今だけ少し小悪魔に見えた。
急いでボトルを用意して体育館に戻ると、研磨さんに話しかけられる。
「ねぇ優希、翔陽は…?」
「…補習…なんです…」
「あー…。でもなんで優希が悔しそうなの?」
「ヤマ当てたんです!当てたのに…解答欄ズレて…っ」
思い出したら悔しくて、うぅー…と唸っていると、そっか。と言って研磨さんが頭をポンポンしてくれた。
それで少し落ち着く私もどうなんだろう。
そんなこんなで試合が始まる。
ひたすら全チームでぐるぐると試合ばっかりだ。
そして1セット毎に負けた方はペナルティでフライングをコート1周。