第9章 期末テスト
そしてテスト当日。
ヤマが当たった。
テストが終わると、隣の蛍が驚きを隠せずに
「怖いくらい優希のヤマ当たってたんだけど」
なんて言ってくるけど、
「いや、私も正直あんなに当たるとは思わなかった」
半分くらいは当たるだろうと思ってたら、8割がた当たったんだもん。自分でもびっくりだ。
「1年は大丈夫だと思うけど、2年生はどうだったんだろ」
そして返却日。
蛍も忠も今までよりかなり点数が良いらしい。
他の人の、というより問題を渡した4人の点数を確認する為に部室に駆け込んだ。
「どうでしたっ?」
とドアを開けた瞬間に聞けば、2年生の2人は
「優希のおかげだっ」
「先生に褒められたっ」
と言いながら私の手を握るから、赤点は免れたんだろう。
後は…あれ?翔陽も飛雄もなんでテンション低いの?
「あー…あのな、」
と言って説明してくれる孝支先輩。
翔陽は英語で、終了間際に解答欄が1こズレてた事に気付いて惜しくも時間切れ。飛雄は現文で、暗記系に絞ってたら読解問題が多くて2点足りない。
まじか。だめだったか。
「ごめん2人とも、私の力不足だ…」
「いやいや、優希は凄すぎだって」
「そうそう、ヤマが8割も当たれば十分でしょ」
凹む私に忠と蛍が慰めてくれる。
「えっちょっと待って、8割…?」
孝支先輩が不思議そうに聞くと
「あ、2年のも7割近く当たってました」
と力先輩が答える。
「まじ…?」
驚いてる孝支先輩がこっちを見る目がなんか怖い。
「今度から俺らのも頼むな」
あ、その笑顔はもっと怖い。
「たまたまですよ」
私は苦笑いを返すしかないよね。
翔陽と飛雄には、龍先輩に秘策があるらしい。
東京で待ってようじゃないか。