第7章 東京に向けて
昼休みは変わらず潔子先輩と新入部員探し。
「5組で最後だね」
「そうですね。谷地仁花ちゃん、か。入ってくれるといいですね」
ドア近くに居た子に呼んでもらうと、小柄な可愛らしい子が出てきた。
「谷地仁花ちゃん?私4組の岡崎優希って言います。初めまして」
「私は3年の清水潔子。私達男子バレー部のマネージャーやってるんだけど、もう1人マネージャーやってくれる子探しててね」
「部活はまだ入ってないよね?」
私の疑問には、ふぁっ!としか返してくれなかったけど、
「経験とか何もいらないの。ただ、強くなっていく皆を支えてあげたいと思って、一緒にやってくれないかなぁって思って声掛けさせてもらったんだ。無理にとは言わないけど、見学だけでもどうかな?」
と言った潔子先輩に
「うへっ、ハイッ!」
と答えてくれたので、思わず谷地さんの両手を握って
「ほんと?ありがとう!じゃあ放課後迎えに来ますね!」
と嬉々として言ってしまった。
放課後、5組の教室で、谷地さーん!と呼べば走って来てすぐに
「すっすみません。私なんかの迎えに来させてしまって…私がお迎えに行くべきでしたのにっ…」
なんて、あわあわしてる。
「谷地さん、落ち着いて。それに同い年なんだし、私もっと谷地さんと仲良くなりたいな」
と言えば谷地さんは
「わっ、私も岡崎さんと仲良くなりたいですっ」
と言ってくれたのは本気で嬉しかった。
「じゃあもう敬語はなし。それと岡崎さんじゃなくて、優希って呼んで?それで、私も仁花って呼びたいな」
「うんっ!優希ちゃん!」
「ふふ、友達が増えた。じゃあ行こっか」
私達は体育館に向かって歩き出した。