第7章 東京に向けて
次の日の朝練が終わった後、昨日の夜作った予想問題を2人に渡す。
「翔陽、飛雄。これ解いてみて。テストで出そうな所まとめてみたから」
「うおーっすげーっ」
「あざっす」
喜んでもらえたかな。
「これすごいね。優希が作ったんでしょ?」
「作るの時間かかりそうだよね。優希大丈夫?」
2人の後ろから覗き込んだ蛍と忠も驚いてる。
「昨日の夜ぱぱっと作っただけだから不安だけどね」
と言えば2人は目を丸くする。
「普通はぱぱっと作れるものじゃないから」
ボソッと言う蛍に、ニヤッと笑いながら言い返す。
「先生達と仲良くなればなんとなくいけるよ」
「なになにーどしたー?」
私達が、というより翔陽が騒いでるのに気づいたのか孝支先輩がやって来た。
「菅原さんっ見てくださいコレっ」
翔陽の持っているものを見た孝支先輩は、暫く黙ったままだったけど
「大地っ!ちょっとこれ見てっ!早くっ」
いきなり大地先輩を呼ぶから、私は何かいけない事をしてしまったんじゃないかと焦る。いや、ほんと不安だから。
「これ月島が作ったのか?お前日向達に勉強教えてたよな?」
大地先輩は真面目な顔で蛍に聞くけど、
「いえ、作ったのは僕じゃなくて優希ですよ」
蛍はさらっと答える。
「確かに月島が日向達の為に作るとは思えないな」
大地先輩酷い事言ってるよね。だべ。って孝支先輩も同意するのはどうかと思うな。
「これさ、1年のしか作れないかな?」
孝支先輩の言葉にハテナを浮かべると、
「2年の分も作れたりしたら田中達にいいかなって思ってさ」
なるほど。
「大丈夫だと思います。ただ私の場合、先生達の性格から考えてる所が多いので担当の先生がわからないと…」
と零せば、孝支先輩は力先輩を呼んで教科担当の先生を教えてくれた。しかも明日孝支先輩が使ってた2年生の教科書を持って来てくれて、力先輩がそれを見ながらテスト範囲を教えてくれるらしい。
「3日だけ時間をください」
そこまでしてもらったら私もやるしかないでしょ。