第6章 これから
翌日の昼休み、蛍と忠とご飯を食べた後すぐに席を立つ。
「ちょっと行ってくるね」
「どこ行くの?」
忠が聞いてくるけど、
「潔子先輩と待ち合わせ」
とニコッと笑って教室を出た。
「潔子せんぱーい」
廊下の向こうに見つけた潔子先輩を呼べば、その向こうには翔陽が居た。
「あれ?翔陽?」
不思議に思っていると、潔子先輩が説明してくれた。
「日向にも部活入ってない子が分かるか聞いてたの」
「そうだったんですね。じゃあ翔陽、2人で探そ」
潔子先輩と別れて、翔陽と2人で1組から回ってみる。
「あ、俺1組だからこのクラスは分かる!」
と言って皆に聞いてくれている翔陽に、クラスの子が話しかけてくる。
「おい日向、この子って4組の可愛いって有名な子だよな?お前なんで知り合いなの?」
「優希のこと?バレー部のマネージャーなんだよ」
「おまっ!名前呼びかよ!さっきの美人な3年生といい、この可愛い子といい…お前はズルすぎるっ」
初めは大人しく聞いていたけど、大声で話してるから流石に恥ずかしくなってくる。
「ちょ、ちょっと待って。潔子先輩が美人なのは分かるけど、可愛い子って誰かと勘違いしてない?」
翔陽の友達くんは顔を赤くしながら、
「いや、間違ってないデス。4組のめちゃ背が高いヤツと付き合ってるって噂なんスけど本当スか?」
なんて聞いてくるけど…背が高いヤツ?
「背が高いヤツって月島か!」
翔陽の言葉に納得する。確かに蛍以上に高い人は居ないかも。
「いやいや、付き合ってないよ」
それから少し話してると予鈴が鳴る。
「やばい!クラス回れてない!」
焦る翔陽に、
「じゃあ明日のお昼までに翔陽は2.3組、私は4.5組を調べよ。で、お昼に潔子先輩に報告って事で」
と提案すれば、おう、わかった!と返事をしてくれたので、じゃあまた部活で。と1組を後にした。