第5章 IH予選
家に帰ると、店番をする繋心の隣に座って凭れ掛かる。
「うー…眠い…」
「眠いならさっさと寝ろ。ここ最近あのお守り作るのに夜遅くまで起きてただろ」
「ありゃ、繋心気づいてたの」
「同じ家に住んでて気づかない理由ねえだろ」
「それもそうか」
「俺の分まで作んなくても良かったのに」
「だって…繋心も烏野排球部の大事なコーチだもん。仲間…だもん」
そうか。と言って頭を撫でてくれる繋心に身を任せる。
「繋心、私、予選終わったら皆に話すよ」
「…大丈夫なのか?」
「うん、皆なら大丈夫だと思う」
「ま、アイツらなら大丈夫だろ」
「話して、ちゃんと手術しようと思って」
そう言うと、繋心は私の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
「俺はお前が後悔しなけりゃ、それでいい」
と言ってくれる繋心には、感謝しかしていない。
「ありがとう」
と小さな声で言った後、すっと立ち上がった私は
「明日、絶対勝とうね、コーチ!おやすみ」
と言って自室に戻った。