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【HQ】陽のあたる場所へ

第4章 閑話いちー青葉城西


「まさか烏野の皆に話す前に、皆さんに話す事になるとは思いませんでした」
無理矢理笑ってそう言う私の右手を英が優しく包み、握り締めていた手から少し力が抜ける。

「悪いな、辛いこと思い出させて」
と、岩泉さんは頭を撫でてくれる。
「ごめんね、話したくない事話させちゃって…」
と言う及川さんに
「いえ、これで烏野の皆に話す決心がつきました」
聞いてくれてありがとうございます。と弱々しくも微笑めば、勇太郎は歯を食いしばってるし、英と岩泉さんは顔を顰めてる。
松川さんと花巻さんは俯いて表情が分からないけど、
「な、なんで及川さんが泣きそうな顔してるんですかっ」
私よりも及川さんの方が泣きそうだ。

だって…と言う及川さんは、このまま放っておけばずっと自分を責めそうだ。
「及川さん、じゃあ今度、駅前のパフェ奢ってください。一番大きいやつ」
と言いながらニヤっと笑えば、及川さんもようやく笑顔になってくれる。

「うん、約束するよ!デートだ!」
「きっと優希1人じゃ食べ切れないんで、俺と金田一も行きますね」
「国見ちゃん達が来たらデートじゃなくなるよね!」
「花巻さん、俺らは及川が暴走しないように岩泉を連れて行きましょうか」
「そうですね松川さん。それがいいですね」
「もうこのメンバーじゃんっ」

烏野は大好きだけど、この人達も好きだ。

「もう皆で行きましょ」

そう約束して、今日はお開きとなった。





皆で私を送ってくれるらしく歩いていると、
「そういえば優希、お前さっき"烏野のみんな"って言ってたけど、どういうことだ?」
と岩泉さんに聞かれる。

「あれ?言ってませんでしたっけ?私烏野でバレー部のマネやってるんです」
と言うと、皆が一斉に立ち止まる。


そして今日一番の笑顔で伝える。


「烏野高校男子排球部マネージャーの岡崎優希です。今後とも、どうぞよろしく」
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