第4章 閑話いちー青葉城西
とりあえず、この状況を整理しよう。
ファミレスのテーブル席、奥から岩泉さん、私、英、勇太郎。
向かいの奥から、及川さん、松川さん、花巻さん。
あ、松川さんと花巻さんとは先程自己紹介しました。お互いに。
及川さんはテーブルに突っ伏しながら
「なんで俺が優希ちゃんの隣じゃないのさ…」
なんてブツブツ言っている。
で、何故こうなった。
そうだ。こんなに大きい人が6人も道端でわちゃわちゃしてるのはどうかと思って、とりあえずファミレスに入ったんだ。
岩泉さんの隣に私を押し込み、すかさず隣に座った英に文句を言う及川さんを皆無視してたけど。
「せっかく優希とスイーツの予定だったのに」
って英は未だに不服そうだ。
「英、スイーツはまた今度行こう。今日はここで一緒にごはん食べよ?」
「優希がそう言うなら」
英はやっと機嫌が直ったかな。
「国見、こうなったのも及川の所為だからな。好きなの頼め」
「ご馳走様です及川さん」
「ちょっと岩ちゃん!勝手に何言ってんの!国見ちゃんも!」
「「及川ゴチでーす」」
「マッキーとまっつんは関係ないよね!?」
「そういえば及川と岩泉はなんで優希ちゃんのこと知ってたんだよ」
「えっとね、優希ちゃんがナンパされてた所を俺達が助けたんだ」
花巻さんの質問に及川さんが答えるも、
「俺達が、ってか、岩泉が、じゃねぇの」
「及川は逆に優希ちゃんの事ナンパしそうだもんな」
と、松川さんと花巻さんにツッコまれる。
「俺はそんなにチャラくないもんっ」
と不貞腐れている及川さんを見て、思わず、ふふっと笑ってしまう。
「優希ちゃんも笑ってないで否定してよっ」
「否定も何も事実じゃねぇか」
「岩ちゃんっ!?」
「「ほら、やっぱり」」
ふふふ。やっぱりコントみたい。
「また1人でポーっと歩いてたんだろ」
「だめだって言ったじゃん。もう俺ら居ないんだから」
勇太郎と英に怒られてしまった。
「なに、優希ちゃんナンパされやすいの?」
「コイツ中学の時、1週間に1回は必ずナンパされてたんスよ」
話を聞いていた松川さんが聞くと勇太郎が答える。
「俺と国見で部活後送るようにしてからは無くなったみたいなんスけどね」
松川さん、自分で聞いたのにびっくりしないでくださいよ。