第3章 GW合宿
烏野総合運動公園、球技場。
「先生、優希。俺タバコ臭くねぇかな?湿るくらいにはファブリーズしてきたんだけど」
「「大丈夫、ラベンダーの香りですよ/だから」」
不安そうな繋心に、私と先生は親指を立てて笑顔で答える。
繋心がラベンダー…ププッと笑っていると、
「集合!」
と大地先輩の声がしたので、私も列に加わる。
挨拶すると、日向くんが走り出した。
プリン頭さんと話していると、音駒のモヒカンの人に絡まれて、あ。と思った途端、龍先輩もその場へ向かって絡み出した。
あ、孝支先輩と音駒の人が止めに入った。
音駒にも孝支先輩と同じ立場の人がいるんだ。何か似てるし。
潔子先輩の所行って準備しようとした所で、音駒の黒猫さんと目が合う。
ニコッと笑って手を振ると、彼はびっくりしたように目を丸くしている。
「優希、知り合いなの?」
手を振ったのを見ていたのか、潔子先輩に聞かれたので、
「日向くんが迷子になった時に出会った黒猫さんです」
と言うと、
「あまり知らない人に手なんか振っちゃだめ」
って。
はーい。って返事をすると、優希はわかってないんだから。って言われるけど…何のこと?
ドリンクの準備をして体育館に入ると、みんなはアップ中だった。
体育館の中を見回してみても、音駒はマネがいないみたいだ。
潔子先輩と繋心に一言伝えて、音駒の監督の元へ行く。
「あの、猫又先生」
ん?と人の良さそうな笑顔で振り返った音駒の監督に、自分の名前と音駒のマネの仕事手伝います。という事を伝える。
「せっかく遠くまで来て頂いたし、ウチにはマネ2人居ますので」
「そうか、それはありがたい。よろしく頼むよ」
おい、黒尾。と猫又先生が音駒キャプテンに私の事を伝えると、またもや目を丸くする黒猫さん。
「岡崎優希です。今日はよろしくお願いしますね、黒猫さん」
と言うと猫又先生に笑われた。
「黒猫さんじゃねぇ、黒尾鉄朗だ。よろしくな、優希チャン」
と言いながら私の頭をクシャっと撫でた黒尾さんは、あいつらにも紹介しとくか。と言ってみんなを集めた。
「烏野1年の岡崎優希です。今日1日、音駒のマネージャーを務めさせて頂きます」
よろしくお願いします。と言うと、お願いしゃーす!と声を揃えて言われた。
さあ、試合開始だ。