第15章 長期合宿後編
ごはんを食べてお風呂にも入った。
マネ部屋で皆と喋っていると、ピロンっとメールが届いた。
〈今出て来れる?中庭のベンチに居るから〉
確認してすぐ、ちょっと自販機行ってきます。と言って部屋を出る。
たしか中庭には自販機あったから、嘘は言ってない…はず。
だって正直に全部言うと、見に来かねないんだもん。特に梟谷の2人。
中庭に着くと、赤葦さんはベンチに座ってた。
「すみません、遅くなって…」
「いや、そんな待ってないから大丈夫」
なんか飲む?と立ち上がって私の隣まで来た赤葦さんに、私も慌ててポケットから小銭を入れたがま口を取り出すけど、
「いいから」
「いや、でも…」
「少しはカッコつけさせてよ」
「あ、ありがとうございます」
結局赤葦さんに奢ってもらってしまった。
自分の分のスポドリを持った赤葦さんに続いて、私も買ってもらったアイスティーを持ってベンチに座る。
いただきます。と一口飲んだアイスティーのほのかな甘みが口に広がるも、私たちの間には沈黙が続く。
「…あのさ、」
沈黙を破って静かに話し出した赤葦さんの方を見ると、赤葦さんもこっちを見ていたのか目が合った。
「…優希は小さい頃の事ってどれくらい覚えてる?」
?どういう事だろう…?
間抜けな顔でもしてたのだろうか。
赤葦さんは、ふっと微笑んで話し出した。