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【ツキプロ】篁志季と私の8日間

第1章 S


「ちょっと、なにやってんの?」

そこに立っていたのは、私の幼馴染であり、元カレである、氷上だった。

「今すぐ唯愛から離れないなら警察呼びますけど。」

氷上はいつもふざけてて、こんなに真剣になることなどないのに、今日はいつもと違った。

「…氷上。」

鷹先さんは焦っていた。

「お前誰だよっ。ヒーロー気取りか?あァ?」

「お前っ。」

氷上は鷹先さんに殴りかかろうとした。

「氷上っ!暴力はダメ!」

「唯愛、こいつ言うこと聞かないみてぇだから、警察呼べ!!」

「う、うん!」

私は服を着て、携帯を手に取る。
そして、急いで警察に電話をした。


思ったよりも早くに警察は来てくれた。

「大丈夫ですか〜?」

鷹先さんはますます焦っていた。

「はぁっ!?マジで警察呼んだのかよっ。」

「ちょっと君、署で詳しく話をさせてもらおうかな。」

「…ちっ。」
鷹先さんは舌打ちをしながら、私たちの横をすり抜けていった。

「大丈夫?」
氷上は優しく声をかけてくれた。

「うん。一応。」

「あいつ、お前のなんなんだ?」

「上司。良い人で、仕事も出来て…今朝までは無断欠勤した私を叱ってくれたんだけど…まさかあんな人だったとは。」

「ふーん。お前って昔っから騙されやすいタイプだよな。」

「どういうことよっ。」

「ってかお前、上京してたんだな。こんな形で再会するとは。」

「そうだね。この前から一人暮らし始めたの。」

「一人暮らしか。これから気をつけろよ。さっきみたいな人はいっぱいいるからな。」

それを聞いた途端、私は焦った。
もしかしたら、志季さんも…策士だったり?

「気をつける。」

「おうよ。…危ないから家まで送ってあげる。」
氷上は照れながらそう言っていた。

「ありがとう。」

「お前、誰かと付き合ってたりするの?」

「急に何!?」
私はびっくりしてしまった。

「いや、いい人見つけたのかなぁって思っただけ。」

「まだよく分からない」

「ふぅん。まぁ、後々聞かせてもらうよ。」

「氷上は?どうなの?」

「んん?俺?俺は普通……」

氷上がそう言いかけた時、私は誰かに掴まれた。
そして、そのまま抱かれた。

「きゃっ。」

「お、おいっ!お前誰!?」

「唯愛とイチャつくな。」

そう言ったのは志季さんだった。
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