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愛の唄 【Fate/GrandOrder 天草四郎】

第7章 愛の唄 Ⅵ


***

―――――深く、深く、眠る。

―――――深い場所へ、堕ちていく。




―――――海が見える。ここは……、どこだろうか? 随分と、高い場所にあるようだ。

「四郎様、もはや限界かと……。」
「……分かっています。」
「降伏、というのもひとつではありますが、……。……いかがなさいますか?」
 暫しの沈黙。
「……いや、私は皆を護りたい。私を信じてついてきてくれている皆と、最後まで共に戦います。それに、私の命で皆が助かるのなら、私は喜んでこの命を差し出しましょう。」
 彼の声は、穏やかで、それでいて決意に満ちていた。刹那、私は悟った。これはきっと、天草四郎が生きていた時の記憶でも、およそその終末あたりだろうということを。




 そうして、夜が明けると同時に、私が見たのは地獄だった。


 建物の中に、武器を持った兵士たちが次々と押し入ってくる。目の前で、次々と人が殺されていく。押し入って来る兵士たちに、躊躇だとか、遠慮だとか、そういったものは何一つなかった。ただ、人々が次々と崩れていく。

 手が空中へと伸ばされる。天草四郎の手だ。しかし、彼の腕は何を掴めることも無く、その腕の先で、男性が殺されている。

「――――――森井――――!!」
 天草の、切羽詰まった声。あんなに穏やかな彼から、こんな悲鳴じみた声が出るなんて、およそ想像すらできないような、そんな声。きっと、あの男性は、天草四郎にとって、大切な仲間なのだろう。

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