愛の唄 【Fate/GrandOrder 天草四郎】
第6章 愛の唄 Ⅴ
「それほど長風呂でもなかったと思いますが……。大丈夫ですか?」
「う、うん……。冷え逆上(のぼ)せかもしれない……。」
口先で適当なことを言いながら、天草から冷水を受け取る。まさか、「あなたの半裸姿を思い出していました」とは言えない。そんなことを口にすれば、間違いなく痴女だ。聖職者相手に何を盛っているのだと、ドン引きされること請け合いだ。
「そうですか。では、そういうことにしておきますね。」
穏やかにそう言って、天草は自分も、足早に風呂場へと向かった。
「あ、うん……、……うん!?」
時既に遅し。天草の姿は消えていた。