愛の唄 【Fate/GrandOrder 天草四郎】
第6章 愛の唄 Ⅴ
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夕食を済ませ、お風呂を借りる。一体全体、どうしてこんなことになったのか。熱めのシャワーに打たれながら、考える。え? これって、まさか、そういう展開? いや、でも、さっき天草は、「安心してください。別に聖夜だからって、変なことはしませんよ?」とか言ってたから、別に、あんな展開やそんな展開は、待ち受けてないよね? 大丈夫だよね? っていうか、聖職者なんだから、そういう心配は無いよね? それに、彼は「人間とは異なる存在」だって言ってたし、まさか、そういう、アレなことは無いよね。うん。別に、私だって、“ソウイウコト”を期待してるわけじゃないし。そもそも、私は、天草四郎に魅せられてはいるけれど、別に恋愛対象としてみてるわけじゃ……ない……、よね? あれ? 何で、そこで全身が火照るの、私!? あ、これはシャワーのせいでしたね。うん。そういうことですね。万が一、天草が“ソウイウコト”に誘ってきたとしても、応じなければいいだけの話だし。あ、でも、それはそれで、なんかこう、寂しい選択で……って! 一体何を考えてるの、私!!!!
あ、でも、そう言えば、天草って見た目は背もさほど高くなくて線が細いイメージなのに、なかなか体も締まってたし……って! いよいよ何を考えてるの、私!!!!
初めて会った時はそれどころじゃなかったけど、水を滴らせて上半身を晒していた天草の姿って、今思えばなかなかにセクシーなビジュアルだったような気もしなくも……って、いい加減にしなさい、私!!!!
そんなことを考えて湯船につかっていたら、見事に逆上(のぼ)せてしまった。何とか髪の毛を乾かし終えて、軽くふらつきながら脱衣所を出たところ、天草が心配そうに、冷たい水を持ってきてくれた。