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愛の唄 【Fate/GrandOrder 天草四郎】

第6章 愛の唄 Ⅴ



「……まぁ、私と貴女では、見てきたものが違います。表面上、今この国は平和なようですし、そのような状況で、貴女が私の思想を理解できるとは、私も思えませんから。この話はここまでにしましょう。それに、これ以上、貴女がこの話題について踏み込んでも、何も得るものなどありませんし。これはあくまでも、私の思想に関わる問題であり、私の最終的な悲願ですから。」
 彼は、ほんの少しだけ眉を下げて、さらりとそう言った。私はもう、後には引けなかった。理由は、それこそ分からない。でも、私は何故だか、もっと彼に近付きたいと思っている。どうしようもない、衝動的な何かに突き動かされるようにして、私は口を開く。

「それでも、私は、“天草”のことを――――――、ううん。四郎のことを、知りたい。」
「―――――。」
 天草は、数秒間私の事を見つめた後に、ふと笑った。それも、挑戦的に。不敵に。

「―――――えぇ。貴女なら、そう言うと思っていましたよ、立香。」


「時間は、たっぷりあります。そこまで言うなら、私が“見た”ものを、実際に見てはいかがでしょう? えぇ、確かに。貴女になら、その資格がある。そうですね。一晩もあれば充分でしょう。」
「――――見たい。」
 願ってもみない誘いだった。

「よろしい。今晩から明日にかけて、何かご予定はありますか?」
「何もないよ……?」
 明日もオフだ。特に重要な予定が入っているわけでもない。
「それでは一晩、私と過ごしましょうか。」









「……は?」






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