愛の唄 【Fate/GrandOrder 天草四郎】
第3章 愛の唄 Ⅱ
「はぁ……。ぁ、ん……、っ、く……。はぁ……、はぁ……。」
天草にはもう、壁にもたれるだけの力も残っていなかった。べちゃりと音を立てながら、天草の上半身は、浅い水たまりへと沈んだ。赤いストラはとっくに古雑巾以下になっており、漆黒の神父服はボロボロに擦り切れている上に、水たまりの泥水を吸い上げて、見るも無残な姿だ。美しい銀髪も、こうなってしまえば見る影もない。己の血と、泥とでぐしゃぐしゃだ。
気温は10℃。季節は、晩秋だった。
天草の体温は、40℃を超えていた。