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調査兵団は今日もまったりです

第1章 猫と団長と伝言ゲーム


室内には懐中時計の秒針の音と、時折エルヴィンがページを捲る音だけが微かに響く。

ミケは書類の上で眠り、リヴァイは窓際へと移動し外を見ていた。

そんな穏やかな静寂の中、探検が終わったのかハンジは自身の尻尾をつついて遊んでいる。

が、それも程なくして飽きてしまったのだろう。他に面白いものはないかと、くりくりした瞳でエルヴィン、ミケ、リヴァイを何度も見比べている。


まずはミケ、と思い机に乗るハンジ。しかし熟睡しているせいか、むにむにと背中を押しても反応がない。
ならば尻尾は?と思うも目当ての揺れる尻尾はそこにはない。

隣ではエルヴィンが小説を読み進めている。
真剣な眼差しに邪魔をしては悪いと思ったのか、そっと視線を窓へと流す。

仕方ない、こうなったら最後の手段…というような表情で、ハンジは床に向って垂れるリヴァイの尻尾をちょいちょいとつつきだした。


静かに窓辺でたたずむリヴァイ。
が、そんな彼にはお構いなしに、ハンジは楽しそうに彼の尻尾と戯れている。

このクソ猫が…と言わんばかりにリヴァイは顔を顰めると―リヴァイも猫なのだが―、触られまいと尻尾を体に巻きつける。

届かない…しかし、そう簡単には諦めない!と思ったかはわからないが、ハンジは軽く後ろ足を引くと思い切ってジャンプした。

パシ!!!

にゃぁ!

当たった!命中!とその瞳を大きく見開き、艶やかな黒毛の尻尾を見つめている。

そんな彼女が、よしもう一回、と後ろ足を引いたその瞬間。

シャーーーッ!!!

リヴァイが予備動作なしでハンジに飛び掛る。が、これまた予備動作なしでリヴァイをかわすハンジ。

何度か繰り返される、鬼気迫る二匹の攻防。

その勢いのまま、団長室にてリヴァイとハンジの追いかけっこが始まった。


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