• テキストサイズ

調査兵団は今日もまったりです

第7章 リヴァイとリヴァイと気になるあの人



『押し付けられただけだからな』


(嘘だ…)


あれは、あの花は、カリンを思い浮かべながら選んだ。
彼女の好みであろう花、彼女に似合うであろう花…


「クソ…」


リヴァイがこんな風に、誰かに贈り物をしたのは初めてだ。

いや、今までも何度かあった。だが、それらは全てエルヴィンからの、ある意味”命令”だった。
全く気乗りはしなかったが、兵団への出資に対してリヴァイ名義でのお返しをしたのだ。
ただそれらは、品物選びから添えるメッセージにいたるまで、全てエルヴィンが用意した。



だから…

今日が初めて。

正真正銘、自分で選んだ、初めての異性への贈り物。



「はぁ…」


リヴァイは大きくため息をつき、うな垂れてしまう。

机にひじを突き、組んだ手の甲で額を受け止めれば、再び大きなため息を吐く。


(なんだってこんなに調子が狂うんだ)


さっき花を渡した時だってそうだ。

手を伸ばしたカリンの指先が、花を握りしめるリヴァイの指先にほんの少し触れた。

それだけ。

たったそれだけで、そこには熱がともり、心臓が早鐘を打ちだした。

誤魔化すように、悟られないように。
足早にその場を後にしたが、今また心臓がうるさい。




(なんなんだ、カリンは…クソ…)




/ 101ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp