第7章 リヴァイとリヴァイと気になるあの人
「お待たせして申し訳ありません。あら…」
(可愛いお花…。誰かへのプレゼントかしら)
買い物を終えリヴァイの元へ戻ったカリンが、彼の手に握られている花に気づく。
素朴でリヴァイのイメージからは意外だが、とてもよく合っている、と思う。
「戻ったか。行くぞ、離れるなよ」
「はい」
二人は先程と同じく、人の波の中を泳ぐように歩き出す。
またも、二人の間に沈黙が広がる。
が、カリンが小さな花束を持つリヴァイを見れば、それにも困らない。気まずく思うこともない。
リヴァイもまた同様に、手元に感じるカリンの視線に、気まずさではなく、ほんの少しの心地よさを感じるのだった。