第7章 リヴァイとリヴァイと気になるあの人
夕飯の買い出しだろうか。
買い物籠を提げた女性が増えてきたように感じる。
「……」
「……」
そんな人混みの中、二人は無言で歩き続ける。
「…おい」
「…!はいっ!」
「何か喋れ」
「ふっ!?」
「おい、随分と…変わった返事の仕方だな」
返事、ということはカリンからリヴァイへ何か話をする、というのは決定事項なのだろう。
リヴァイからの突然の提案。カリンは困って辺りを見回す。何か話題になるようなものは…
「…あ。あのお店を、見てきてもいいでしょうか!」
「あ゛?」
お前、それは話しでも無ければ会話でもねぇ…、そう言ったリヴァイの声は、カリンには届かない。
(ったく…)
不思議と人波に流されることなく小走りで向かう彼女の後を追い、リヴァイは店先で待つ他なかった。