第2章 ミケとミケと気になるあの人
「そうだ、ミケ君は好きな子、いないの?」
髪を纏めつつ、話題を変えようと務めて明るい声をだす。
んな、んな~
ミケ猫は背伸びをすると、カリンの頬を二度三度舐める。まるでキスをしているようだ。
「…もしかして、私?ふふ、ありがとう。嬉しいな」
優しく頭を撫でてやれば、遠くから賑やかな声が近づいてくる。
仕事も終わり、風呂を楽しみにやってくる団員達だろう。
「さて、そろそろ上がろっか」
あ、ここで話したことは二人だけの秘密よ?
約束。ね?
そう言い人差し指を唇にあてる。
んな
もう聞き慣れたその声に『ありがとう、お利口さんね』とタオルで優しく拭いてやれば、その毛はふわふわと指先をくすぐった。
お夕飯、何だろうね?
んな、にゃ~
湯上がりに、ほのぼのと会話する二人。
そんな二人とは対照的な……