第2章 ミケとミケと気になるあの人
コンコン
『どうぞー』
ノックの後、入室の許可と共に扉を開ける。
そこには和やかに事務仕事に勤しむ部下達の姿。
「今帰った」
「お帰り、って正装。久しぶりだね。似合ってるよ」
ナナバら班員総立ちで出迎えられ、ミケは抱えていた紙袋からそれぞれに土産を手渡す。
「……?いないのか?」
「あぁ、うん。今日はちょっと早上がり」
「そうか」
(ならば、後で渡すとしよう)
さてまずは着替えて、と振り返ろうとしたミケに衝撃の一言が放たれる。
「ミケとお風呂だよ」
「…は?」
今頃はゆっくり湯船に浸かってるのかな。
などと、のんびりひとりごちたナナバに、言われた本人は放心寸前。
自分と風呂?
今頃は湯船?
浸かってる?