第1章 猫と団長と伝言ゲーム
「ちょっと、一人じゃどうしたって無理だよ。それにエルヴィン、その日休みじゃなかった?」
エルヴィンから内容を聞かされたハンジは、大きな声で制止する。
「…まぁ、休みが潰れるのは構わないのだが」
「ダメダメダメ!久々の休みでしょうが!ちゃんと休んでよ…」
はぁ…とため息をつくハンジ。この上司、一体どこまでワーカホリックなのか。
どれも断りづらい、ならばいっそ自分が全ての招待状に欠席の返事を出してしまおうかと、無茶なことを考える。
何かいい方法は…
ふと窓から外を見ると、特別大きな人影と特別小さな人影が目に飛び込んできた。
あ、と呟いたハンジは迷うことなく窓を開け放ち、その人影に大きな声で呼びかける。
「お~~~い、二人とも!大至急団長室に集合!!!」
「…?」
「なんだクソメガネ」
「いいからいいから、とにかく、早くね!今すぐだよ!」
急ぎとは言うが、どうやら緊急性はないようだ。
しかし行ってみないことには判断出来まいと、ミケとリヴァイは真っ直ぐに団長室へと向う。
程なくして現れた二人に、ハンジは『さぁ、どうぞ!』と三通のそれを見せた。