【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第4章 Seeing is believing
うわ…最悪だ。
勝手知ったる和奏の家なので、もちろんインターホンなど押さずに、玄関のドアを押し開けた。
そして、一番に視界に飛び込んだのは、見慣れない男物のスニーカー。
本当に最悪だ。
何のために、ここまで走ってきたと思ってるのさ…。
そもそも、まだ1時になってないだろ。
何早く来ちゃってるのさ。
弾んだ息を整えながら、潰されたプランを立て直すべく、頭を整理する。
まだのっぽ君が来てから、そこまで時間も経ってないだろうし、大丈夫だ。
その時、リビングの方から話し声が聞こえて来た。
「僕、誘に伝えたい事があるんだけど…聞いてくれる?」
あんまり話してるイメージが無いけど、間違える余地もなく、のっぽ君ほ声だ。
ってか、勝手に何を伝える気だよ!
来たてじゃないの!?
来たところで、すぐに告白とか…シチュエーション作りとか出来ない奴かよ。
岩ちゃんレベルかよ。
こっちはもう十何年も告白にベストなタイミングを探してるって言うのに。
「和奏ー、ただいま!」
もちろん、黙って見過ごす訳にはいかない。
わざと明るい声をあげて、リビングへと進んだ。
「えっ?徹??今日は部活じゃないの?」
驚いてる和奏はもちろん可愛いけど…それより、和奏とのっぽ君の様子が気になった。
何その距離感。。。
何その…真っ赤な顔。。。
これから告白でもしますって…空気感だよね?
そんな事、させる訳ないでしょ。
「今日は午前練習だけ。それも速攻で終わらせたに決まってるでしょ。今日は和奏の家で害虫駆除の予定があったしね。」
最後の部分は、大切な話を途中で中断された為か気まずそうにしてるのっぽ君…いや、害虫に向けて言うと、
すぐに意味が伝わったのか、敵意のこもった視線が返ってきた。
ふーん。なかなか察しがいいんだね。
話が早くて助かるよ。