【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第4章 Seeing is believing
「え!?害虫?そんな予定あったっけ?」
和奏は頭にクエッションマークを浮かべながら、少しのっぽ君と距離を取る。
けど、赤い顔までは隠せていない。
それが俺に向けられた表情なら、それだけで幸せな気分になれるだろうが、
のっぽ君が引き出した表情だと思うと、やりきれない、仄暗い気分になる。
「まぁ、それは後回しにするか。お客さんも来てる事だしね。お茶の途中だったんじゃないの?」
ティーテーブルの上に並んだケーキとコーヒーに目線をやると、和奏が思い出したかのように嬉しそうな声を上げた。
「そうなの!蛍君がケーキ買ってきてくれて。徹も一緒に食べよう!コーヒー入れるね。」
「ありがとう、和奏。えっと、烏野の月島君だよね?いつも和奏から烏野の話は聞いてるよ。」
パタパタとキッチンに向かう和奏の背中を見送りながら、台詞とはかけ離れた冷たい表情でのっぽ君に向き直る。
「あっ…はい。この前は練習試合ありがとうございました…及川さん。」
のっぽ君も台詞と一致しない表情でこちらを睨み返してくる。
邪魔するなとでも言いたげだねぇ。
察しがいいなら、自分が邪魔者だってそろそろ気付いてもいいのに…。
まぁ、思い知らせてあげるよ。
和奏は俺のものだって。