【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第4章 Seeing is believing
「蛍君、何が好き?ショートケーキ以外で、だよ!せっかくだから、蛍君の好きなメニューにしたいな。あんまり難しい物は作れないけど。」
和奏は本当に僕を喜ばせるのが上手い。
全て無意識にやっているのだとしたら…。
「和奏って、思わせぶりだよね。」
思っている事を口に出してから、しまった…と思った。
今の言い方じゃ、まるで、僕の事好きなの?とでも言っているようだ。
そう言う意味じゃない…と訂正しようと顔を上げて、和奏の表情に言葉を失う。
だって、この表情は思わせぶりなんてものじゃない。
真っ赤に上気した頬や潤んだ瞳が、僕を好きだと雄弁に語ってる。
「あ…あの…思わせぶりと言うか…その…。」
自然と頬が緩むのを感じるが、幸せに浸ってる場合じゃない。
和奏に言わせるなんて、かっこ悪すぎる。
「ごめん。意地の悪い言い方した。和奏が僕の事を色々気遣ってくれて嬉しいって意味だったんだ。僕、和奏に伝えたい事があるんだけど…聞いてくれる?」
静かに頷く和奏に、世界が明るくなるような錯覚を覚える。
僕の言葉に、今度はどんな表情を見せてくれるだろう…。