【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第1章 worng perceptions
「北川第一って言ったらバレーの強豪校だよね?」
こんな話、つまらないかもしれないけど…それくらいしか北川第一の情報を持っていない。
「え?月島君もバレーするの!?その身長だから、もしかして…って思ってたの!!」
月島君も…って事は。
「皐月さんもバレーするの?」
「ううん。私は中学ではずっと男子バレー部のマネージャーだったんだ!高校でもそうするつもりで…。」
入学早々こんなにラッキー続きでいいんだろうか?
「じゃあ、一緒だ。よろしくね、マネージャー。」
皐月さんがパッと花が咲いたように笑った。
「月島君が一緒なんて心強いなぁ!あっ、私の事は和奏って呼んで!」
何だか心配になるくらい人懐っこい彼女に、自然と笑みが漏れる。
「じゃあ、僕の事も下の名前で呼べば?」
「蛍…君。変じゃない…?」
変じゃないどころか、凄くいい。
「別にいいんじゃない?和奏。」
呼び返してあげると、不安げだった表情がまた綻ぶ。
感情が全部顔に出るんだな。
「ツッキー。」
自分の席に荷物を置いた山口が寄ってくる。
「あっ、蛍君…、ツッキーってあだ名なの?そっちの方がいい??」
ハッと驚いて青くなる和奏さえも可愛く見える。
「いや、蛍のままでお願い…。」
少し困った顔をすると、不本意なあだ名だと伝わったのか、今度はケタケタ笑いだす。
「山口、皐月 和奏さんだよ。バレー部のマネージャーをやるつもりなんだって。皐月さん、こっちは山口。山口もバレー部だよ。」
和奏って呼びそうになったけど、流れで山口も下の名前で呼ぶようになるのは嫌だなと、わざと苗字で呼ぶ。
和奏は山口の事も下の名前で呼ぶんだろうか…。
それも…嫌だな。
「山口君、よろしくね!」
「うん。皐月さん、よろしく!」
僕の心配をよそに、ありきたりな挨拶をしたところで担任が教室に入って来てホッと息をついた。
出会ってすぐの彼女を、こんなにも独占したいなんて…僕はどうかしているんだろうか。