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【ハイキュー!!】happy ignorance R18

第4章 Seeing is believing


及川さんと皐月が付き合ってない。

俺の中でずっと引っかかってて…でも、半信半疑から抜け出せなかった疑問の答え。

こいつの言葉を信じるのか…?

金田一の表情が嘘ではないと雄弁に語っている。
金田一自身も理解が出来なくて、困っているのだと。
それだけで、十分信じる意味があると思えた。

それに…及川さんと皐月が付き合ってない事で、
皐月の高校に入学してからの態度にも説明がつく。

でも…説明のつかないこともある。

「じゃあ…何で及川さんは皐月とキスとかしてんだよ?」

俺だって…この目で見た事あるんだぞ。

中学の頃、誰もいない部室でキスを交わす2人の…その時の皐月の笑顔を思い出して、思わず握りこぶしに力がこもる。

「俺だって…わかんねぇよ!けど…皐月さんは何も知らないような事を岩泉さんは言ってた。及川さんが一方的に騙してるんだって…。それ知って…俺、及川さんの前でどんな態度取ればいいんだよ…。」

俺と同じくらい切迫した様子で金田一が言う。
尊敬してやまない先輩の…悪事を知ってしまった。

そんな金田一の取り乱した様子に、俺は少しだけ冷静さを取り戻した。

「そんなの…知るかよ。それより…この事、絶対に他の奴に言うんじゃねぇぞ。皐月の為だ。」

まだ状況が全て把握出来てるわけじゃないけど…この話が変に広がって、皐月が傷付く事だけは避けたい。

「…言わねぇよ。ってか、言えねぇだろ。」

そう呟く金田一も、俺に話した事で少しだけ冷静さを取り戻したのかもしれない。

言えない…か。
金田一の言う通り、仲の良い奴には言えないだろう。
相手に自分が感じているそれと、同じ重荷を背負わせる事になるのだ。
しかも、それが一緒にチームとしてプレイする仲間だと、尚更言えない。
及川さんと皐月の事を知ってて、それほど仲も良くない…金田一にとって、俺が最適な話し相手だったんだ。

「絶対に言うんじゃねぇぞ。」

大丈夫だとわかってはいたが、最後に一度だけ念を押し、金田一をその場に残して、俺はトイレを後にした。
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