【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第4章 Seeing is believing
青城に着くと、さっそく田中と月島は勝手に向こうの選手に絡むし、日向は緊張しまりだし…。
サポートに徹するって言ったけど、こういう事じゃないだろうと心の中でツッコミを入れてしまうくらいの慌ただしさだ。
青城には影山と同じ北川第一の出身者が多い。
中学時代にチームで孤立していた影山を心配しすぎて、皐月も北川第一の出身だってのをすっかり忘れていた。
皐月が向こうのチームの1年と仲よさそうに挨拶交わしているのを見て思い出したくらいだ。
大きな失敗だ。
既に強力なライバルに包囲されている現状だ。
これ以上敵を増やしたくないのに、ここに来て飢えた獣の中に皐月を放り込むような状態に…ん?
何だか、俺が想像した状態と何か違う。
青城の1年生達は皐月に笑顔で挨拶こそしているものの、それ以上深く会話を続ける人間は誰1人居なかった。
久しぶりに会ったなら、高校生活はどうかくらい聞いても良さそうなのに。
そんな青城の1年生達と皐月の様子を不思議に思ったのは俺だけじゃないようで、大地や田中まで不思議そうな顔をしている。
「あいつらは皐月とは殆ど話しませんよ。及川さんを警戒してるんです。」
影山が皆の疑問に気付き、そう説明した。
「おい、影山。及川さんって誰だよ?」
さっきから緊張でガタガタ震えっぱなしの日向が、青い顔して聞く。
「及川さんは青城の主将でセッター。実力は相当です。そんで、皐月の幼馴染です。」
後半はガタガタ震える日向ではなく、俺たち全員にそう説明する影山。
今…皐月の幼馴染って言ったか?
まさかの幼馴染のトール君??
間も無く試合が始まる。
日向じゃないけど、何だか軽く吐きそうな気分だ。