【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第3章 repentance comes too late
目の前で湯気を立てているコーヒー越しに、和奏を見る。
いつも通りだと思っていた和奏は、食事の時間を通して、何やら様子が違う事がわかってきた。
いつも通りと言うか…いつもよりご機嫌なんだ。
ニコニコしながら、何か言いたげな様子で時折こちらの様子を伺っている。
結局、食事中は何も言わず終いだった和奏。
いつも通り、並んで食器を洗っている時に「何かあったの?」って尋ねると、少し驚いた顔をしてから「うん。後で…きいてくれる?徹にはちゃんと話したくて…。」と言って…今に至るってわけ。
ってか、あんな思わせぶりな事が言われたら、気になって仕方ないんですけど!
改まって、話って何さ!?
今だって、そんな向かいの席に座っちゃってさ!
いつも通り、俺の足の間に座ればいいのに…。
「あのね…、まずは徹に謝りたくて…。」
は?何の謝罪?
嫌な予感しかしないんですけど…。
落ち着く為にコーヒーを一口飲む。
「何を謝りたいの?」
「昨日の事…。」
「…。」
やっぱり、機嫌が良くなったからって昨日の事が無しになったわけじゃないよね。
「私…徹の事泣かせちゃったでしょ?」
…嫌な事覚えてるね。
「…。あぁ、あったね。そんな事。」
「その理由が…1日考えたけど、わからなくて。本当にごめんなさい。私が徹を悲しませるような事をしてしまったのなら、教えて欲しいの。」
謝りたい事ってそれか。
理由なんて、言えるわけないけどね。
「俺こそ…和奏に謝らないと。昨日は少し嫌な事があったんだ。でも、和奏が悪いわけじゃないから。」
嘘じゃない。ただ、真実でもないけど。
でも、そんな俺の言葉に和奏が安心したように笑顔を見せる。