【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第3章 repentance comes too late
「じゃあさ…今は無理だろうけど、俺の事も考えてみて欲しいんだけど。それに今回みたいに幼馴染と喧嘩しちゃった時なんかは一番に相談して欲しい。それは仲の良い先輩として。」
俺の提案を頭の中で反芻するように考えてから、皐月が静かに頷いた。
「良かった。俺も俺なりに皐月に振り向いてもらえるように頑張るよ。」
「なんか…私には勿体無い御言葉です。」
俺の言葉に真っ赤になって俯く皐月が可愛すぎて、思わず抱き寄せて唇を重ねた。
昨日の様子から拒否はされないだろうと思っていたけど、予想に反して皐月が素早く身を引いた。
「あの!菅原さんとこういう事すると、徹がまた悲しむかもしれません。」
あっ…そうだった。
その件な。
月島も面倒な存在だけど、それより幼馴染のトール君の方が俺からしたら大問題だからな。
「皐月は何で幼馴染の…トール君が悲しんでんのか、わからないんだろ?」
コクリと素直に首を縦に振る。
「たくさん…考えたのですが。」
「俺、何となくわかっちゃったかも。トール君が悲しんでる理由。」
「本当ですか!?」
パッと輝く目の色に、恋愛感情こそなさそうだけど、皐月にとってトール君が大切な存在だと伝わってくる。
さっき、月島の事もちょっと気の毒だと思ったけど…トール君の方が断然気の毒だな。
まぁ、そんな気の毒さじゃ帳尻が合わないくらい、トール君が皐月にしている事の方が酷いけど。
「うん。ただ…まだあんまり確証はないんだよね。だから、ちょっと色々確認したいと思ってて…俺に協力してくれないか?」
あんまり確証がないなんて大嘘だ。
俺が一番この事態を正確に把握している自信がある。
「協力なんて…私が菅原さんに協力してもらってる立場ですから。私に出来る事なら、何でも言って下さい。」
「ありがとう、皐月。」
心配になるくらいチョロ過ぎる皐月に唇を重ねれば、今度は拒否される事なく受け入れられる。
さてと…これから、どうするかなぁ。