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【ハイキュー!!】happy ignorance R18

第3章 repentance comes too late


そんな月島相手に、堂々と皐月を誘い出すのも気分が良さそうだな。

「いや、来てもらうの悪いので、私が菅原さんのクラスまで行きますよ!確か…4組でしたよね?」

首を傾げながら、こちらの様子を伺う皐月が可愛過ぎて、思わず頷きそうになる。
皐月が彼女になったら、どんなワガママでも聞いてしまう気がする…。

でも…こればっかりはダメだ。
皐月が3年の廊下を歩いているのを想像しただけで…危険だ。
可能な限り人目に触れさせたくないと思ってしまう。

しかも、皐月は誰かに誘われたら無知なまま、その要望に応えてしまう可能性があるわけで…。
その事実に気付いてるのは、きっと俺1人だ。
俺が守らないと…。

「って訳で、俺が迎えに行くから皐月は教室で月島と大人しく待ってろ!な?」

「どういう訳か、全然わかりませんでしたけど…わかりました!じゃあ、私ドリンク準備してきます。」

どういう訳?蛍君?と首を傾げながらも、可笑しそうに笑った皐月は、その言葉通り水飲み場の方へ去っていった。

…これだけのやり取りなのに癒されるって…マイナスイオンでも出てるんだろうか?
そんな皐月の余韻に浸っていると、貴重なマイナスイオンを吹き飛ばすような声がかかる。

「話って…何の話ですか?部活の話なら朝練中にしたらどうですか?」

…見てたのかよ。
不意のことだったけど、普段から人に爽やかだと形容される事が多い笑顔を作る。

「月島、居たのか。盗み聞きとか悪趣味だぞ!」

「隠れてこそこそと色々仕掛けてくるのも悪趣味だと思いますけど?」

月島の表情は、俺とは対照的に鋭い物だ。

「何?皐月と話すには月島の許可が必要なのか?あっ、お前ら付き合ってるんだっけ?」

まぁ、付き合ってても…月島のこの余裕の無さなら、まだ付け入る隙はあるんだろうけど。

「別に付き合って…ません。」

半信半疑だった2人の関係は、今のところ俺の望んでいる通りらしい。

月島の何とも悔しそうな表情。
頭のいい月島は、この先の展開がわかっているんだろう。

「なら…話にもなんないな。そろそろ皆来る頃だろ?体育館行こうぜ。」

だから、そのシナリオにとびきりの笑顔で乗ってやる。

月島が俺を追わずにその場に立ち尽くしたのもシナリオ通りだった。
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