【ハイキュー!!】happy ignorance R18
第2章 what is lost is lost
「和奏、俺のでもっと乱れて。」
初めては、うんと優しくするって決めてたのに…。
堪えきれない衝動が腰の動きへと変わっていく。
「いやぁ…。と…おる。あぁ。」
思い描いていた和奏とのセックスではない。
和奏の初めては特別な思い出にしてあげたいと思っていた。
だからこそ、和奏が彼女になるまで絶対にセックスはしないと決めていたのに…。
大体ここはベッドでもなく、和奏の家のリビングのソファーだし、晩御飯を無理矢理中断して行為に至っている。
本当に最悪だ。
こんな事なら…もっと早く…和奏とこうなれるタイミングはいくらでもあったのに。
心の奥から、どんどん湧き上がる黒い感情を抑える事が出来なくて、自分の快楽の為に腰を振っている。
「も…だめ…。とお…とおる?あ…あっ…とおる。どうして…泣いて…の?」
和奏が快楽に飲まれそうになりながらも、俺の頬に手を添わす。
俺…泣いてるのか?
本当にダサ過ぎるね。
そんなダサい事は辞めろって言ってたのは…岩ちゃんだったっけ?
「んなややこしい事しなくても、正面から堂々と告白して付き合えばいいだろ。」
そんな事も言ってたっけ?
でも、岩ちゃんは全然わかってないね。
例えば、今和奏に好きだと伝えたら…?
和奏は困った顔した後に、ごめんって言うだろう。
ずっと側で見てきたんだ。
和奏が俺に恋愛感情を抱いてないって事くらい…気付きたくなくたって、気付いちゃうよ。
そして、今…和奏のその感情が1人の人物に向けられている事だって。
憎くて仕方がない。
和奏の気持ちを簡単に持って行ってしまった蛍君が。
和奏の身体を勝手に穢した誰かもわからない奴が。
「和奏、俺だけを感じてよ。お願いだから。」
そして、どうしようもない感情を和奏にぶつける。
「イく…。あぁ…イっちゃ…。やぁ…。」
和奏が達するのと同時に自身のものを引き抜き、和奏のお腹の上に欲望を吐き出した。
ぐったりとする和奏を前に、涙が止まらなかった。