第11章 Chapter11
向かった先はオルティシェで、祭壇の横の大きな広間の前で飛空挺は降り立った。
扉が開いてアーデンは私の方を見て言う。
アーデン「降りるよ」
アリス「うん」
降り立つと飛空挺は飛び立ってしまった。
オルティシェはもう夕方で綺麗。
アーデン「首相との会談は明日の朝だよ、今日はホテルに行くよ」
明日で三日目で、明後日にはアーデンは帝都に戻って仕事。
本当に結婚式なんてできるのかな。
カメリア首相の会談に行けば結婚式の日取りがわかるのかな。
ホテルのエントランスで、チェクインを済ませてると後ろから話しかけられた。
???「アリスと宰相じゃない」
後ろを振り返るとアラネアがいた。
会うのは久しぶりだ。
アリス「久しぶりだね」
アラネア「そうね、宰相はオルティシェで二週間ぐらいの滞在予定だと聞いたわよ」
二週間? そんなにいるの?
どうしてだろう?
アリス「どうして?」
アラネア「理由聞いてないの?」
首を縦に振るう。
アラネア「宰相が内緒にしている理由は、きっと何かあるんでしょ私からは言わないわ」
アリス「話してくれるまで待つよ」
ニッコリと笑顔になるアラネア。
アラネア「ラブラブで何より」
そうだろうか?
アーデンが側にやってきて、私に話しかける。
アーデン「チェクイン終わったよ、あれ? 准将じゃん、どうしたの? 何かトラブルでもあった?」
アラネア「そうじゃないよ、二週間ここに私も滞在しろと上から命令があったから来ただけ」
アーデン「ふ〜ん、他に何か命令あった?」
アラネア「ここで、ある準備の手伝いだって後アリスの護衛」
私の護衛? そんなの悪い気がする。
アリス「私の護衛なんて悪いよ」
アラネア「悪いなんて思わないで、宰相の婚約者なんだから私の上司と同じだよ」
違和感がある。
アーデン「これから准将と仕事で出かけてくるから、アリスは部屋で待っててこれ部屋の鍵」
鍵を開けて部屋の中に入ると、私はカバンを置いて携帯を取り出してベットに横になる。
携帯を見るとメールが一件受信されていた。
送り主を見ると、プロンプトかと思ったらイグニス。
『アリスは何時結婚式の予定だ?
決まったら招待状かメールで知らせてくれ、王子の公務を早めに終わらせる必要性がある。
それに王子も楽しみにしてるぞ』