第9章 chapter9
明日が待ち遠しいなぁ。
そうだ、何か手伝えることあるだろうか?
聞いてみようかな。
アリス「何か手伝えることある?」
再度仕事の書類に向けていた、アーデンだが私の発言に目をパチクリとさせて言う。
アーデン「手伝えること?」
アリス「うん、手伝えることない?」
アーデン「そうだねぇ、これを手伝ってもらうとするかな」
何だろう、難しい書類とか書くのじゃないよね。
五千枚近くある書類を、五つづつ並べてそれを五枚まとめてアーデンはホッチキスを取り出して、それを止めて言う。
アーデン「これを右から左に一枚づつ、上に重なるようにまとめて最後にホッチキスでまとめてくれればいいよ」
それだったら私にも出来そうかな。
アリス「やってみるね」
ホッチキスが手渡されて、書類を一枚づつまとめ始める。
今まで一人でこんな作業までやってたんだ。
部下にやらせればいい仕事をわざわざアーデンがやってたなんて。
それにしても、この書類は何だろう。
一番上まで重なると『魔導兵と死骸の研究』
さっぱり分からない。
けれども、帝国はまだ魔導兵の研究してたんだ。
アーデン「アリス手が止まってるよ」
そうだこれを終わらせなきゃ。
すると玄関のチャイムが鳴って、アーデンはモニター越しに言う。
アーデン「アラネア准将かぁ、入ってもいいよ」
扉が開くとアラネアが入ってきて、私をチラリと見た後に直ぐにアーデンに視線を戻して言う。
アラネア「これ、3日分の帝国軍の軍事練習のスケジュール予定と基地の巡回予定表です」
アーデン「ありがとう」
それだけをアラネアは渡すと、私の方に来て言う。
アラネア「何? アリスは宰相の手伝いをしてるの?」
アリス「自分から手伝いたいと言ったんです」
アラネア「物好きだねぇ、自分から宰相の仕事を手伝いたいなんてさ雑用ばかりでしょ、宰相の仕事なんてさ」
確かに雑用ばかり。
アーデンは書類にハンコを押して、また書類に目を通してパソコンを打っての繰り返し。
私は書類をまとめながら、アラネアの質問に答える。
アリス「確かに、雑用かもしれないけど敵との戦いで怪我をしてくるよりはこのほうがいいかも」
顔がにやけながらホッチキスを止めた。