第9章 chapter9
アリス「お礼って何かを買ってくるの?」
ニヤリと笑ってアーデンは言う。
それはまるで、前にノクトを見下してたような顔だ。
何かを企んでいるのだろうか?
アーデン「アリスからキスをして、唇以外は認めないよ」
そんなの無理だよ。
アリス「無理だよ」
目をつぶって、軽く唇にキスをする。
直ぐに離すとアーデンの顔は少し赤いような気がする。
アーデン「じゃあ約束通り三日間休み取るよ」
やった! イリスに電話しなきゃ。
しばらく通話音が流れて8回目でようやく出た。
イリス『もしもし? アリスどうしたの?』
アリス『明後日にしない? みんなで出かけるの』
イリス『オッケープロンプトにもそう伝えとく、何処かに行きたい場所ある?』
海で海水浴したいなぁ。
アリス『海で海水浴なんてどお?』
イリス『いいね、そうしよう』
アリス『それじゃあ、また明後日にね』
イリス『レスタルムでね』
電話を切ると、アーデンは仕事に集中してて聞いてなかったっぽい私は近づいて話しかける。
アリス「レスタルムで明後日待ち合わせだって」
アーデン「そうなんだ、分かった俺の愛車で行こう」
目線は書類を書きながら答えてる。
話を聞いてくれてるからいいか。
アリス「海水浴に行く予定だよ」
するとアーデンの手がピタリと止まる。
アーデン「海水浴?! アリス水着持ってるの?」
一応持ってはいる、けれども引越しの時どこのダンボールに入れたか忘れてしまった。
アリス「ダンボールのどこか」
アーデン「明日買いに行くか」
そんなわざわざ買いに行くなんて勿体無いよ。
アリス「でも、わざわざ買いに行くなんて」
アーデン「サイズ合ってないかもしれないしね」
サイズ? そっか、胸とか?
アリス「じゃあ買っておこうかな」
アーデン「買った時よりも太ってるかもしれないしね」
そうゆう意味でアーデンは言ったの?!
アリス「変わってないと思う」
笑いながらアーデンは言う。
アーデン「冗談だよ」
アーデンが冗談を言うと本気にしか見えない。
アリス「でもね、私はアーデンが休みを取ってくれてみんなで出掛けてくれるのが嬉しい」
アーデン「そこまで、喜んでくれるとは思わなかった」
そうだったんだ。