第9章 chapter9
アラネア「ラブラブだねぇ、もう既に宰相に心を掴まれたって感じ? むしろ恋人同士?」
アリス「そうかもしれない、でもね私は一緒に三日間休みを取ってほしいから手伝ってるんだ」
ふぅ、とアラネアは溜息をするとポケットからホッチキスを取り出して言う。
アラネア「私も手伝うよ」
それは有難いけども、アラネア自身の仕事は?
アリス「アラネアの仕事は?」
アラネア「終わってる」
流石早い、そっかさっきの三日分のスケジュールの仕事の書類を渡したら終わりなんだ。
アリス「でもアーデンの確認が終わったら、どこかに出すんじゃないの?」
アラネア「それは宰相のお仕事」
アーデンは立ち上がって私達の方を向いて言う。
アーデン「ここを一旦出るけど、パソコンとか書類触らないでね後誰が来ても応対しないでね」
そう言うと、先程アラネアが持ってきた書類を、手に持って部屋を出て行ってしまった。
アリス「アーデンはどこに行ったの?」
アラネア「気になる?」
ニヤニヤしながら言う。
アリス「気になるよ、そう言われたら」
アラネア「皇帝の所だよ」
成る程最終確認のための書類を持って行ったんだ。
アラネア「あと、一時間くらいは戻ってこないかな」
どうしてそんなに掛かるのだろうか?
アリス「どうして、そんなに時間掛かるの?」
アラネア「皇帝の所に行った後に、帝国軍の休憩所に行ってスケジュールのコピーと張り出しが十五部屋と仮眠室三十五部屋に張り出しがあるからさ」
もっと時間が掛かるんじゃないの?
アリス「もっと時間掛かるんじゃ」
アラネア「宰相はワープができるから、一時間で終わるんだよ便利な能力だよね」
さっきから話してて、私はゆっくりペースなのにアラネアはペースが早い。
半分まできてるし。
私が一人でやってたら、夜中の一時まで掛かってたかも。
アリス「アラネア」
アラネア「何?」
アリス「ありがとう、手伝ってくれてるお陰で早めに終わりそう」
アラネアは笑う。
何か私はおかしな事でも言ったのだろうか?
アリス「何かおかしな事でも言った?」
アラネア「そうじゃないんだ、宰相からお礼を言われてその上アリスまでお礼を言われるなんて、帝国は少し変わってきてるのかなって思ったりしてね」
それらいい意味でなのだろうか?