第9章 chapter9
アリス「何が不便なの?」
アーデン「それは・・・いや結婚式まで秘密だよ」
やっぱり教えてくれない。
結婚式になったら教えてくれるよね。
すると携帯のバイブが鳴って電話に出る。
電話を掛けてきたのはイリス。
アリス『もしもし? イリスどうしたの?』
イリス『今大丈夫?』
アリス『うん、大丈夫だよ』
何の電話だろうか?
イリス『結婚式いつ頃? もう決まっちゃった? 遊びに行けるなら行きたいなぁと思って』
遊びの誘いかぁ、行きたいなぁ。
アリス『うん、行きたい』
イリス『了解じゃあ、プロンプトにも伝えとくね』
プロンプト? 主催者がプロンプトなのだろうか?
アリス『それじゃあまたね』
イリス『またね、日取りが決まったらまた連絡するね』
電話を切ってアーデンの方に視線を向ける。
パソコンと向き合って、タイピングをしている。
傍に行き話しかける。
アリス「あのね、さっきイリスから電話があって今度出かけようだってアーデンも良かったら一緒に行かない?」
アーデン「俺は仕事がある」
そんなに仕事ばかりして、たまには息抜きが必要だと思う。
アリス「息抜きしてほしい」
手を止めて目を細めて言うアーデン。
アーデン「息抜きねぇ、俺だって息抜きしたいよでもさ俺宰相なんだよ分かる?」
そりゃあ知ってるけど。
アリス「一緒に出かけたい」
どうしても譲らない私の態度に、アーデンは突然デスクの上に置いてある電話に手をかける。
アーデン「あぁ、もしもし? 俺だけど魔導兵の研究資料を三日分と揚陸艇の予算資料三日分、予算会議の資料を三日分・・・」
次々と三日分の資料の電話をしている。
五分後ようやく電話が終わって、私の方を向いて言う。
アーデン「これで、ようやく三日分時間が取れた」
でも今さっき、会議の資料とか言ってなかった?
アリス「会議の資料はいいの?」
アーデン「会議は三日間休みが終わって次の日」
そうなんだ、早めに作っておくんだ。
けれど三日間で研究変わらないのかな。
まぁ今まで同じ魔導兵だったんだから平気だよね。
目を細めてアーデンは私に言う。
何か企んでいるような感じがする、嫌な予感もするし。
アーデン「お礼をしてもらおうかな」
お礼? 何か買ってくるのかな。