• テキストサイズ

花の詠【ONE PIECE】

第4章 クジラの背中





「なんで、って顔してるな」

『え』


そんなに顔に出したつもりはなかったんだが。

やはりどうしてかわかってしまうようだった



「お前らそっくりなんだよ」

『……?』


包帯を片手に、私の腕に落とされた視線はどこか遠くを見ているようだった。何かを思い出すような、そんな仕草


「アンタ、エースの幼馴染なんだってな。俺は初めエースの船に乗ってたんだ」

『えっ』


その驚きは隠すこともせずに簡単に口から飛び出した


「俺が出会った時まだアイツは1人で、エースにとって俺は多分最初の仲間だと思う。スペード海賊団は俺たちで作ったんだ」


話しながらも、その手はテキパキと動いていた。

デュースは、私の知らないエースを知る人。私にきっとエースのことを教えてくれる人


『…私とエースは、似てるのか?』

「ああ、そっくりさ。その無鉄砲なバカな所とかな」


あれは止めるのが大変なんだ、と心底嫌そうな顔して言う。一度言ったら聞かない、それはなんとなく頷けるかもしれないが、バカは余計だ



『……どんな旅だった?』



多分、彼でなければこんなことは聞かなかっただろう。

彼がエースのことを1番見てきた人だと思ったからだ。私が知っているエースを含めて、全部。



「そりゃあもう、壮絶さ。俺達は…いや、あいつは激動のスピードで駆け抜けていったよ。この海を」

まるで生き急いでいるみたいだった、と彼は言う。


『…私は、エースが島を出て間もなく海軍に入った。だからその間のことはよく知らないんだ。良かったら聞かせて欲しい』



ああ、と今度は優しい目で返してくれた。


/ 268ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp