第3章 risk or safe
剣を地面に突き立て、それを軸に自分の体重を上に持上げる
『はや、くっ、、いけ!!』
そう叫ぶと同時に、私とジャックの距離が一気に詰まる
これ以上は食い止められないっ
これで決める……!!!
『…………っぁ』
視界が反転して、空と地面が縦半分ずつ映る
……いたい
「けっ、…やりやがるぜ、小娘……」
細かい砂をすり潰すような音がどんどん近づいてくる。気持ちの悪い声も一緒に。
「もう一歩、あるいはほんの少し押し込まれていたら、俺も立てたもんじゃねェなァ……ハァッ…だが、これでしめェだ」
奴が手にしたのは、私の弾き飛ばされた剣…………
ゆっくり持上げる
刃が太陽に反射して、眩しい。チエはくたりと横に倒れた自分の顔を正面に戻した
『まぶ、しい……』
「けっ、呑気な」
刹那
『がはっ……ッ!!!!』
振り下ろされた私の剣は、私の腹部に鋭く突き刺さった
『……ぁーー、こんな失態、、初めてだ……じいさんに、、殴られるなぁ…………』
掠れた声が血と一緒に外へ吐き出されては、だだっ広い青空に吸い込まれて消えていく、誰にも拾われることなく。
眩しい……
『っ、あああっ』
もう一度、刃の光が目に映る
高く持ち上げられ、鋭く振り下ろされる
『っ、ぐあっ!!』
「けけっ、まだ叫ぶ元気があるみてェだな」
眩しすぎて……うるさい…
まるで、私を置いていったアイツみたいで……
『っぁあ……あ、…』
「ほらほらァ、まだ出んだろ?いい声聞かせろ、や…」
突然、ジャックの影が瞬間移動した
私の視界から後ろに吹っ飛んで行った
代わりにぬっと現れたのは、もっと大きな影
「女をいたぶるなんざァ、胸糞悪ぃ趣味しやがるじゃねェか…ハナッタレが」
低く、傷に細かい振動が響く声。その後に続いたのは何人かの若い、こ…え……
この、声は…っ、、
「親父!俺がやる!」
私の上を生き生きとした顔で、飛び越えて行く、好戦的でそばかすが特徴のあの顔は…………
「まだ殺すなよい、エース!」
エース……っ!!!