第3章 risk or safe
『これから、あの丘に向かい下に船があるか確認する。開けた場所だ。常に自分たちが敵に見られていると思え』
「「「「「はっ!!」」」」」
店を出て、丘に向かう。町を出てしまえば丘まで一本道が続くだけだった。
背中の町がだいぶ小さくなった頃、目的の場所に着いた。誰も警戒を怠ってはないない。私の指示で素早く確認作業に入る。
「ありました!」
1人の兵が小声でそう報告した。すぐさまでんでん虫を取り、スモーカー大佐の班にかける
プルプルプル、プルプルプル、
独特のコール音のあとガチャと相手が受話器をとる音が聞こえる
繋がった……!
『こちら……』
「ぐあっ!!!」
本当に一瞬の出来事だった
口を開くやいなや、右隣で地図を構えた兵が前方に吹っ飛んで行った。私の顔の横には、かび臭い黒の皮があった
それが靴だと気付いた時、それは私の顔面を襲う
『ぐっ……!?』
ギリギリ右手が追いついて、直接顔に触れることは無かったが、やつの蹴りで私は数メートル程蹴り飛ばされた
「少佐!!」
「へぇ~、ついこの間会ったばかりなのにもう少佐?優秀だねぇ、もしかして俺の1件で昇格しちゃったのかい?」
起き上がって、声の主を睨みつける。
どうして、ここに……っ!!!
『おかげさまで……ブラッディ海賊団船長、血塗れジャック…!』
何故ここにいる?取引はもう終わったのか?いいや、1人でここにいるはずがない
ジャックはでんでん虫を踏み潰した。
……これで連絡経路は絶たれたってわけ
この状況下で、誰か一人スモーカー大佐の所まで走らせられるだろうか
『どうして、ここにいる。取引はもう終わったのか?』
「さぁてねぇ……」
気味の悪い目をしている…。のんびりと間延びしたような声とは裏腹に、その目は私に強い感情をぶつけている、、、
……都合がいい、
その敵意が私だけに向いてくれているのなら
『あれからどうだった?怪我はもう良くなったのか?』
ゆっくりと、ジャックまで距離を詰めていく
なぜなら私と海兵の距離が遠いからだ
近づかなければ、伝えられないからだ
「何をペラペラほざいてやがるッ!!!」
奴の一振が私の頬を掠める。
その傷を片手で覆い、しゃがみこんでみせる