第7章 追ひ人
マルコが頭を下げると、空気がどよめいた。1番隊隊長が頭を下げたのだから、当然の反応ではある。しかし、事は中々に大きい。船にいたほとんどの者が全くと言っていいほど、状況がわからない。
いきなりガープがやってきて、エースだけ呼ばれ、血相を変えて飛び出て行った。止めに行ったはずのマルコは、すんなり行かせてしまって今頭を下げている
「頭ァ上げろ。マルコ」
そんな周りの混乱を静止させる白ひげの響く声。恐る恐るマルコは頭を上げて父と慕う彼を見上げた
「エースは何て言ってたんだ」
「行かなきゃならないと、それだけ」
「アイツがあんなになるってことは、どーせチエのことだろう」
はぁ、とため息をついて視線を落とす。とんだバカ息子だ。でも、だから気に入ったんだと白ひげ自身心の中で呟く。マルコが行かせたいと思ったのも、わかるから責めることは出来ない。
「いい。エースにはテメェでケリをつけさせる」
「親父、」
「エースに電伝虫繋げるかァ?」
白ひげの問いかけに、それまで様子を伺っていた彼の息子たちが慌ただしく動き出す。
「親父、これです」
エースの電伝虫に繋げられるものを運んでくると、白ひげは受話器を取った。
プルプルプル、と電伝虫の口から発せられるコール音。それが途切れては、繋がるまでを繰り返した。電話に気がついているのか、いないのか、エースはなかなか応答しない。しかし白ひげは、苛立ちを見せることも無く辛抱強く電伝虫をかけ続けた。
やがて、数コールしたあとお馴染みのガチャという音が聞こえた