第3章 risk or safe
はっとしたような顔をして、モモンガ中将が辺りを見渡し、彼も口元から手を外した
そして、先ほどよりもボリュームを抑えて
「お前とスモーカー、たしぎで陸に迎え!何人か兵も連れていけ。我々はここで奴らを倒してから向かう」
『はっ!』
敬礼をしてすぐに、元いた場所へ走り出す。足には自信があるんだ、すぐに陸へ向かえるはずだ
『スモーカー大佐!たしぎさん!モモンガ中将からの命令です、今すぐ兵を連れて陸に向かえと!』
駆けつけてきた私に、目も止めず戦っていた2人が、同時にこちらを向いた
「陸だと?」ですって?」
『もう既に奴らは上陸し、取引を始めています、ここに居るのはただの囮です。』
私の言葉を聞き、スモーカー大佐は少し考えたようだった。たしぎさんは彼の選択を待っている
「……わかった」
3人は数名の兵を連れて、用意した潜水艦に乗り、島を目指した
潜水艦の中で、スモーカー大佐は声を荒らげることなく私に聞いた
「何故わかった」
『口を、覆っていなかったんです。あの海賊たち。』
島まであと、数分。
『それで、この霧は毒性が最初だけで、薄まってきたから襲ってきたと考えたんです。なら、奴らは一体どこでどうやってその機会を待っていたのか疑問に思いました。我々が近づいてくる敵船に気づかないはずがありませんから』
そこまで言うとスモーカー大佐は納得したようだった。
「軍艦からはちいせぇボートは見えねェからな」
『はい。確認もしました。その中にバズーカが数個落ちていたので、煙玉のような形でこの霧を作り出したんだろうと推測し、これが囮だとわかりました。』
「普通ならば、逃げ場の多い海上で取引を行うところ、……けれどこちらの発信機に気づいているのなら、奴らは陸に囮を向かわせたでしょうね」
たしぎさんの言う通り。結論から言って発信機には気づかれていない。海軍の軍艦は大きく目立つ。もとより探られていることを承知で囮を用意したんだろう。
Dr.ヘイブンは噂通り、慎重な男らしい。
「スモーカー大佐!まもなく上陸いたします!」
報告を受け、皆が上陸に備えた