• テキストサイズ

花の詠【ONE PIECE】

第6章 折れた翼、落ちた羽



そんな……、そんなことが、、

『っ、待って....急に古代兵器に匹敵するなんて言われても、じゃあ、私は……』

あのヘイブンを殺した力や、全身の傷が治ったこと、今まで起こった不思議なこと全部は、ルノウェ一族の能力だっていうの

あまりに莫大な情報に、戸惑いが溢れ出た


「…全て、真実じゃ」

『は、、』


ガープの言葉は、表情は、嘘偽りなど何一つなかった。それが余計に、現実を目の前に突きつけてくる


(……やっぱり私は、化け物なんだ)



なら、どうして

『……母は、なぜ』

私の前からいなくなったのか

自分の力が世界の驚異になるものと知っていながら、同じ力を継ぐ娘を、.......たった1人にして


もし、自分に母親がいたら
あの家に、母がいたら

何度そう考えただろう。父に殴られる度、父が眠るまでシーツの中に隠れる度、自分を助けてくれる存在を願ったことだろう



「そうじゃな、、話はお前を産む、もっと前に遡る」

そう言って、ガープは一層遠くを見つめた。






時は遡ること、27年前


一人の少女が海に漂流していたのを拾った

名をアリエと言って、まだ14歳の子供だった


「どうした、遭難でもしたのか」

そう訪ねると、アリエは島から泳いできたのだと言った

話を聞くと、故郷の島を海賊に襲われ、彼女だけが命からがら島から逃げてきたのだそうだ


「にしても、この近くに島なんて…」

「一体何キロ泳いできたんだ、、」

周りの海兵も絶句する中、アリエは疲れも見せず、ただ黙って毛布にくるまっていた


「安全な島まで乗せていってやるから、しばらくこの船にいるといい」


返事はなかったが、その娘はしばらくこの船に乗っていた。
けれど、一月経とうが三月経とうが一向に笑顔を見せることは無かった。
/ 268ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp