第6章 折れた翼、落ちた羽
『世界に認められることが、そんなに大事か……っ!!!』
悶々とした気持ちは、徐々に怒りに変わっていき、ついには拳を上から下へ振り下ろして叫んだ
思わずガープもぎょっとしたが、切り替えさせるために連れてきたのだ。好きにさせよう、と心の中で呟く。
『それに、、迎えに来るとか言ったくせに、別の人に夢中になって……勝手だよ、』
「何ィ!?わしの可愛い孫娘を差し置いてほかの女にうつつ抜かしておったのか、あのアホ!!」
それまでじっと聞いていたガープも、カッと叫び出して鬼の形相になる。一緒に怒ってくれるとは思わず、チエも一瞬拍子抜けしていた
……そういえば、ハッキリと言ったことがなかった気がする。
『じいちゃん』
「なんじゃ」
『……私、エースのこと好きだよ。昔から、今でもずっと』
普段なら言えなかった、こんなこと。海兵としてではなく、祖父と孫として心の内を明かしたいと思った
ここまで導き、支えてくれたこの人には、嘘をつきたくない
「ンなモン、とっくの昔から気づいとるわい」
『…いいの?私、海兵なのに』
一見矛盾した答えに、チエは不安げに尋ねた。
分かっていたのなら、どうして自分が海兵になることを許してくれたんだろう
「好きにすりゃあいい。お前が海兵になると言った時はそれはもう度肝を抜かれたが、……自分の身は自分で守れた方がいい」
随分と落ち着いた声で言うから、聞き込んでしまう。けれど最後の言葉だけは、どこか違った。
「チエ」
『なに?』
いつにも増して神妙な顔をして頭を撫でるので、ついこちらも顔が強ばってしまう。
「……お前に言わなきゃならねェ話がある。お前が知りたがっていた事じゃ」
『!』
それは、もしかして
私のこの体のこと……
「今から言うことは誰にも言うな。心を許した相手でも、その人が危険な目に遭うじゃろう。もちろん、お前も」
ガープの正面に向き直り、ゴクリと唾を飲む。予想はしていた。本当に、幻覚ではなく私自身の力なのだとしたら、それはとても危険で悪用される危険のあるものだと
ガープは床を見つめたまま、話し始めた