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花の詠【ONE PIECE】

第5章  カ タ チ





はやく、
早く助けてやらねェと……!!

チエは、、俺が……


「俺が、守る…っ」

決めただろ
サボが死んだあの日に

泣きじゃくって、どうしようも無くなったチエを、この手で守るって、もう泣かせないって、決めたじゃねェか


熱く硬い決意が、拳の炎に宿る反面
早く助けないと、という焦りがじわじわと侵食してくる。

エースの怒涛の攻撃は、常人にはどれも耐え難いもののはずなのだが、エースをスキャンしたヘイブンにとっては難なく躱せてしまうらしい
冷や汗さえ浮かべないヘイブンに、エースの焦りは増していく


「くそっ!!」

何度目かの攻撃をヘイブンではなく、岩肌の壁にぶつけると、思わず焦燥の声を荒らげた

多少のスペースがあるとはいえ、密閉された洞窟のなか。所構わず炎を出し続けたら、この空間の酸素量が著しく減って、一酸化炭素中毒を起こしかねない
エースが戦うにはあまりに不利な状況だ

どうにかして、この現状を打破しなければと頭を何回転にも回していた。
その間もチエは悶え苦しみ続け、過呼吸を起こす手前まで来ている


「守る?君はチエの何だ」

辛そうに息を切らすチエと、悔しさに眉間のシワを寄せるエースの前に、冷酷で、淡々とした口調のヘイブンがいた。
心のそこからくだらないと言うように、蔑んだ目でチエの髪を引っ張りあげた


『あぁっ!はぅ、あっ、、!!』

それは痛みに悶える声ではなく、嬌声に似た甘い声

辛さのまじる甲高い声に、電流が背中を走った。


「もう痛みどころか、空気の振動でさえ快楽だ。このまま犯しながら腕をもいだら、どんなにきもちいいんだろうね」

冷淡な表情ながらも、声には陶酔の兆しが垣間見得る。その一方で、奴から放たれる空気は、異様だ。生ぬるい湯の中、きつく首を絞められているようで息苦しい

その対象が、今まさにチエになっていると気づき、思わず叫んだ
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