第5章 カ タ チ
錠を解き、すぐ様外へ飛び出した。
足跡から察するに、こっちだな。
遠くに見えていた白ひげの船とは反対方向に走り出す。
先に降りたメンバーは、意外とアッサリ見つかった
『剃!嵐脚!!』
今のところ会得しているのは、鉄塊・紙絵・剃そして嵐脚の4つである。足技が得意で剃と嵐脚は一番得意な技なのだ
でもまだまだ技の精度は甘い
タフな海賊にとって、こんなのただの蹴りでしかない。
「…ぐっふっ、ヒヒヒッイヒヒヒヒヒッ!!!」
「だぁはははァっ!!」
『!?』
まさか、こいつらも薬を…!?
ジャックよりも進行してる……!相当薬を使ってる証拠だ。タフにも程があるだろう……ッ!
『紙絵ッ』
超至近距離でのピストル乱射。一発掠りはしたが、無事かわす。敵味方関係なしに打ったせいで、周りの奴らも売った本人達さえも銃弾を体に受けた。
のに、平気な顔で向かってくる
しかも、
(スピードが、増してる…ッ!?)
これも薬の効果なのか、先程よりスピードもパンチも重くなった
薬を服用してから、時間が経つにつれ効能が出てきているとすれば多分上陸してから服用したはずだ
Dr.ヘイブンなら即効かつ強力な麻薬にするはず。その方が儲かるから
なぜ味方と合流するのに飲む必要があった?敵が現れてからでも良かったのではないか
敵が現れるとわかってた…?
白ひげの船に近づいたのも、私を船から攫ったのも、白ひげと戦うための下準備。
(だとしたら、この島は…っ)
シュッ
嫌な予感と共に、刃は胸元を掠めた。
白ひげの船で貰った服がぴらりと切れる
(しまった…!囲まれた…っ!)
刃物を手にした敵に囲まれ、中央の私目掛けて刃を突き立てる
「…ッ!」
咄嗟にとった行動は、真上に飛び上がる事だった
「ぐあっ…!!」
「ってめェ……!!」
中央に刺す対象がいなくなり、仲間同士で刺し合った
薬がだいぶ回っているらしく、仲間同士睨み合う。ターゲットは変わりつつあった
私はと言うと、未だに空中にいた
(…月歩、習得……!!)
宙を蹴り、空中歩行を可能にする六式の一つ、月歩。
これで、5つ目……!!
中将以下の海兵に覇気と六式を使いこなせる人はいない。もし、六式をマスター出来たなら、私は軍に戻って中将として復帰出来るかも知れない…!!