第5章 カ タ チ
残された猶予は3日
「よう!チエ!今日は何にする?」
そう言えば朝食を食べていなかったから、お昼だけでもと思い食堂へやって来る
そこにはいつもと変わらない4番隊隊長サッチの姿がある。
『サッチの、オススメで。』
「?おう!任せとけ」
まだ、私がこの船に残るかという話は広まっていないらしかった
多分、白ひげとマルコ、そして私だけが知っている事なのだろう。もし、この船に残ると言ったら、反対する人も多いだろうな
ティーチや他にも私を良くないと思っている人はいる。彼らから身を守りながら、いつかは受け入れられてこの船でやっていく…
そんな先もあるのか……
「はいよ、お待たせ!サッチスペシャルだ」
『…何だそのダサいネーミングセンスは』
「ぐさぁっ、、うぐっ、すげぇ刺さったよオニイサン」
『もうオジサンだろ』
「ひどい」
いつからこんなやり取りができるようになったんだろう
「前々から考えてたレシピだよ。いいから食ってみな」
『…いただきます。』
見たことも無い料理だ
下は白い麺に、金色のスープ、トッピングに盛り付けられたのは黄金色の何か。多分、揚げ物だと思うけれど、なんだろう
とにかく食べてみようと1番上の黄金色のものを口に運んだ
サク
『んー!!』
サクリとしたいい歯ごたえの中に、ぷりっぷりのエビ
スープが浸透してて、ジュワァっと口の中に旨みが広がる……
『おいしい』
「ひひっ、だろっ?」
サッチは嬉しそうに笑う。そうしてまた次のひと口を勧めるのだ
『この麺はなんて言うんだ?もちもちしててすごく美味しい!』
「これはな、"うどん"っつーんだ。ちなみにこのスープは鰹節と醤油だけだ」
『カツオからこんなに美味いスープがとれるのか……』
「シンプルに美味いだろ?」
『ああ、とっても』
ここは、こんなに美味しいご飯が食べれる
好きな時間に、好きなだけ
『ごちそうさま』
「元気になったみたいでよかった」
『…そうか?』
「あぁ、そうさ。海賊だろうと海軍だろうと、飯を食えば元気になる。美味い飯は特にな」
海軍も海賊も関係ない、そう言ってくれている気がした
今の私には、まだ選べない